腰痛
腰痛はその痛みのたどる過程から分類すれば、急性腰痛と慢性腰痛に分けられる。急性腰痛は打撲やぎっくり腰などがあり、慢性腰痛は腰部筋肉の疲労や脊椎の病変、または腰に近い腹腔や骨盆内臓器の病変に起因する場合が多い。このような様々の原因の腰痛の中に、内臓病変が原因であるものを除けば、みんな鍼灸治療の適応症となる。(月経による腰痛も鍼灸治療は有効。)
ぎっくり腰や打撲で腰痛になってご来院された場合、大体患者さんご自身がそれらの発症経緯を教えてくれるので、鑑別には苦労しませんが、注意しなければならないのは、内臓(腫瘍や泌尿系)から来た腰痛です。
鍼灸院の場合は、病院と違って、高度な医療機器による検査はできないので、鍼灸師の手や五感を使って、情報を収集、分析し、結論を出さなければなりません。この過程はとっても大事で、しかも簡単ではないのです。診断が正確でなければ、治療方針も正しく決められませんし、正確な治療もできません。勿論、所期の効果もあげられません。
当院では、皆様のお蔭様で、中国の臨床経験をも含めて30年以上の臨床診療経験を積んできましたので、基本的には過誤のない日常的な診断及び治療を行っており、それに基づいて有効な腰痛の鍼灸治療をして参りました。
具体的に当院は、脊椎及び坐骨神経症状の伴わない腰痛に対しては、中国の鍼灸臨床で一般的に使われている電気鍼を用いて治療に当たっています。その上、急性か慢性かによって、または体質的に陽性か陰性、または虚弱的か丈夫的かによって、補的な治療や暖める治療(温灸及び鍼による補い、遠赤外線による温熱療法、抜罐療法)、またはそれらと反対的な治療を選択します。
腰痛は薬を服用することで、一時しのぎことはできても、根本的な治療にはなりません。自画自賞ではありませんが、腰痛の治療はやはり鍼灸の方が効果的だとわたくしは思っています。
腰椎ヘルニア、腰部脊柱管狭窄症、腰椎すべり分離症、変形性脊椎症などによる腰痛や坐骨神経痛などの鍼灸治療は、それぞれの項目を参照してください。