春が来た
自然界のだけでなく、人々のこころも、だ。春と同時に、新しいスタートを切る新年度も始まった。ここで、自分の心境を表す為、母国中国の詩句を抄録しておく:
(一)
正邪自古同氷炭 毀誉於今弁偽真
(二)
沈船側畔千帆過 病樹前頭万木春
(一)の解釈:「正邪」は正義と邪悪。「自古」は古くから。「氷」はコオリ、冷たいの意;「炭」は炭火、暖かいとのこと。「氷炭」は相容れない、性質の相反する二つの物体との意味。「毀」は不名誉なこと、「誉」は名誉なこと。「於今」とは、今日になって、、、との意味。「弁」は分別。
この詩句(中国では対聯と呼ぶ)は、私の出生地である中国杭州市内にある南宋時代の岳飛のお墓の墓碑に刻んであるものである。岳飛は当時の外敵金という国からの侵略から自国を守った民族英雄であったが、当時の宰相秦檜の迫害によって、無実の罪で処刑された。その岳飛のお墓の両脇に、秦檜夫婦の裸体鉄像が跪きに座らされていて、永年に渡って、観光客から唾吐きされている。
(二)の解釈:「側畔」は脇、「千帆」は、沢山の船。「過」は通過。「病樹」は、病気を持っている樹木。「前頭」は、、、の前。全体の意味は、沈んでいた船のそばには、大きな船団が前進している。枯れ木を尻目に、沢山の木が春を迎えている。